ハンドガンに使われる弾薬。
比較的小さなカートリッジで、初速も音速と同じくらいかそれ以下、というものが多い。ライフル弾などと比べると発射に使う炸薬の量も少なく、射程距離も貫通力もずっと低い。
また、サブマシンガンの弾薬としても拳銃用のカートリッジが用いられる。
中・大型セミ・オートマチック式ハンドガンやサブマシンガン用にいちばんよく使われている弾薬。
9mmx19というのは弾丸の直径が9mm、薬莢の長さが19mmの意。Parabellumの名はラテン語の格言"Si vis pacem, para bellum."「平和を欲すならば戦いに備えよ」に由来するという。ドイツ軍制式拳銃のLuger P08で初めてこの名称が使われた。そのためか9mm Lugerと呼ばれることもある。
リボルバー用の弾薬では.38Specialという弾が9mmx19と同じくらいのクラスになるそうだ。
小・中型オートマチック式ハンドガンやサブマシンガンで一般的な弾薬。
9mmx17というのは弾丸の直径が9mm、薬莢の長さが17mmの意。装薬量は少なく、9mmx19の5割強ほどのパワーとなる。反動も小さい。バレルとスライドを機械的にロックする必要がなく、ストレート・ブローバック方式が使えるので、シンプルな設計で銃を設計することができる。
オートマチック・ハンドガン用の弾薬の一つ。9mmパラベラムと.45ACPの間を埋めるようなサイズで口径は0.40inch、すなわち約10mmとなる。威力は(単純計算で)9mmの4割増だが、マガジンには.45口径の拳銃などよりもずっとたくさん装弾することができる。このあたりがウケているらしい。
Smith & Wesson 社とWinchester 社による共同開発。FBI にも制式採用された。これに近いクラスで、10mm AUTOという強力なカートリッジも存在するが、今ではパワー抑え目の.40S&Wのほうがメジャーになっている。
.44口径とは弾丸の直径が0.44inch(11.2mm)の意。"マグナム"とは「大きな酒瓶」という意味。明確な定義はないようだが、一般には薬莢を長くして装薬量を増やした強力な弾丸に名付けられる。映画「ダーティー・ハリー」の主役Harry Callahan刑事も使っていた。ちなみに彼の銃はS & W M29 という製品。
これらは主にリボルバー拳銃用のタマだが、Desert Eagleのようなオートマチックの大型マグナム拳銃も存在する。
Colt Pythonなどで使われるのは.38 Specialをもとに作られた.357口径のマグナム弾で、こちらも有名な弾丸だ。また、最近は500 S&W Magnumのような、もっと大きなリボルバー拳銃弾も登場している。ライフル弾やショットシェルにも、マグナムの名を冠したものがあり、やはり通常のものよりも強力な装薬となっている。
現在のアサルトライフル用の主流となっているのは5.56mm(.22口径)弾。
かつて歩兵用ライフルの弾丸といえば強力な7.62mm(.308口径)弾だったが、それよりも小さくて軽いタマをもっと高速(初速1000m/sくらい)でうち出す、ということになる。
これで射程距離は多少短くなるけども、反動が減ることでより扱いやすくなり、さらに運べる弾数も増えてヨシ、との考えから、現在のアサルトライフルではこうした小口径高速弾が主流になっている。
米軍は小口径アサルトライフルの先駆けであるところのM16ライフル用に、M193という5.56mmx45(弾丸の直径が5.56mm、薬莢の長さが45mmの意)弾を採用した。
旧ソビエト軍も7.62mmx39のAK47ライフルに代わり5.45mmx39弾使用のAK74を主力にしている。弾丸の素材と構造に工夫があり、小口径ながら高い貫通力と殺傷力を得られるつくりだ。
これを参考に西側諸国の軍でも、M193と同サイズながら貫通力を増した、FN社のSS109をNATO制式弾とした。米軍もM249軽機関銃の導入と同時にこれを採用、M16A2用の弾薬として使用(制式名はM855)するようになった。
軽量の弾丸には、横風に弱いという欠点もある。そのため、長い射程と精度が求められるスナイパー・ライフルや機関銃では、7.62mmx51 NATO弾やそれ以上の口径を持つ強力なライフル弾が用いられる。また、大物狙い向けの狩猟用ライフルも、アサルトライフル用より強力なカートリッジを使う。大きな動物を一撃で倒す必要があるためだ。
ショットガン(散弾銃)用の弾薬。よく使われる12番ゲージは直径が約18mm。番径の数字が小さいほど口径が大きくなる。
バックショット(buckshot : 散弾)には小さなペレット(pellet : 粒状弾)がたくさん収められていて、発射されると散らばって飛んでいく。命中率、殺傷力は高い。
もともとは狩猟用で、ゲーム(獲物)の種類によってシェルの中身も変わってくる。小鳥を撃つときには小さな粒がいっぱい入ったダスト・ショット(dust shot)、鹿を撃つときには直径約8mmの弾が9個入ったダブル・オー・バック(OO buck)、などと使い分ける。ちなみに"buck"とは牡鹿の意。ダブル・オー・バックは対人公用ショットシェルとしても知られる。
熊を撃つ時に使うような一粒弾はスラッグ(slug)と呼ばれ、大きな弾が散らばらずにまっすぐ飛ぶ。とても強力だが、全てのショットガンで使えるわけではない。有効射程は100m程といわれ、ダブル・オー・バックのそれ(45m前後)よりも長い。
ライフルド・スラッグ弾にはライフリングが施されている。ライフリング(施条)とは普通、銃身の内側に刻まれる螺旋のこと。銃弾に回転を与えて弾道を安定させる効果がある。通常のショットガンの銃身にはライフルが切られていない。スラッグの場合は弾丸のほうに螺旋の筋が刻んである。
口径の大きな銃なので、弾丸の種類もとても多い。焼夷弾、ゴム/プラスチック製スタン弾や閃光弾などなど。
グレネードとは榴弾(弾頭に爆薬の詰まった砲弾)のこと。ここでは手榴弾を発射器で投射できるようにしたようなものを指す。
米軍ほかで使用されている40mmx46グレネードは重量のある弾体を穏やかに発射するために、ハイ・ロー・プレッシャーシステム(高圧−低圧システム)を内蔵して燃焼ガスの圧力を制御している。また、普通は撃った本人が爆発に巻き込まれないように、中の信管には安全装置が組み込まれている。発射後、一定距離を飛ばないと起爆しない仕掛けだ。ゲーム中ではそんなことなかったけれど…… 種類は多岐に及ぶ。
ほかにも子弾が詰まった多様途弾(Multipurpose : M576)、対人/対装甲弾(HE Dualpurpose : M433)や催涙弾(CS Chemical : M651)などなど。過去にはバックショット弾やフレシット(flechette: 小型の矢)弾も作られたという。また、米軍では次世代の個人携行火力として口径20mmのプログラマブル弾薬(信管作動タイミングをコンピュータで制御する)を開発中だ。